Highlighted reviews

"A very fine pianist .... with an immaculate sense of style and perfect musical timing" Rob Cowan, BBC radio 3, contributing editor of 'Gramophone' magazine

 

「…当夜の演奏は、…彼女が第一級の国際的なコンサート・ピアニストである事実をはっきりと浮き彫りにしていた。同時に現在の彼女は、いわゆる日本人ピアニストの枠から完全に解放され、ヨーロッパ人の言葉でヨーロッパの音楽を語ることができる境地に到達しており、そうした観点からももはや特別な存在であることを印象づけていた。シューベルトでは、ゆるぎない楽曲の把握が実現されたなかで、時にドラマティックな感情のほとばしりなどもが示され、聴き手に時間の存在を意識させることのない白熱的な表現が繰り広げられていた。橋本のシャープな感性の冴えと精妙な表現力の結合の成果というにふさわしいドビュッシーでは、繊細で切れ味の良い語り口のなかに抽象的な心像がくっきりと映し出され、豊かで純度の高いファンタジーの発露が筆者を魅了した。まさに注目に値する本格派の逸材であり、今後の活躍に大きな期待がもたれる。」 -柴田龍一”ムジカノーヴァ”

 

"Tonight's concert ….has made it clear that Kyoko Hashimoto is an international concert pianist of the highest class. It also brought home to us very powerfully that the Hashimoto of this period is a special presence on the musical scene: standing completely outside the framework of so-called 'Japanese pianists' and able to articulate European music in the language of a European. Her Schubert, with a sure grasp of the structure of the work and moments of dramatically overflowing emotion, unfurled with a naturalness of expression that made the audience forget the passing of time. In Debussy, a fitting choice of repertoire, Hashimoto's acute sensibility married to her refined expressive powers clearly illuminated abstract mental images within the subtle and sharply delineated narrative. I was mesmerized by this outpouring of pure, rich fantasy. Performances this convincing simply demand attention and hold great promise of successes to come. " - Ryuichi SHIBATA 'Musicanova'

 

「…このライブ録音(09年東京文化会館小ホール)を聴くと、スケールの大きさに驚かされる。音のひとつひとつに鮮やかな生命力を宿し、脈打つ音楽の鼓動は、極に強い推進力を与える。とくに、シューベルトでは孤高の境地を切り拓いており、鮮烈なリズムと透明性の高い音を織りなすドビュッシーも必聴。日本の聴衆にも、もっと知ってほしいピアニストだ。」

-道下京子”月刊CHOPIN"

 

"Listening to this live recording (Tokyo Cultural Center Small Hall, 2009), we are astonished by its scale. Each note is vividly alive, and the music is driven forward by a powerful animating pulse. Particularly in Schubert, Hashimoto has opened new expressive territory unreached by other interpreters. Her Debussy, characterised by its lively rhythm and her highly transparent sound, is another 'must-hear'. She is a pianist whom I wish more Japanese listeners would get to know."

- Kyoko Mitchishita 'CHOPIN Monthly'

 

「橋本京子は、デュオや室内楽でマイスキーやカントロフを始め錚々たる顔ぶれと共演、世界に活動の場を持つカナダ在住のピアニスト。今回の録音はイニシャルがBの作曲家による舞曲ばかりを集めたもの。ピアノが持つオーケストラのような奥行きある響き、深く刻まれるリズム、即興的で自然な起伏が鮮烈な印象を与える。特にブラームス「16のワルツ」は各曲の描き分けも見事。ホロヴィッツの師としても知られるブルーメンフェルトのマズルカのやわらかさ、一変バルトークで見せるワイルドな響き。彼女の音の引き出しの多さが存分に活かされた、刺激と心地よさに満ちたアルバム。」高坂はる香(ぶらあぼ 2014年4月号)

 

「1978年以来、主として欧米で活動、現在もカナダに在住するという橋本京子は、これまでも幾点かのCD(シューベルト、シューマン、ドビュッシー、スクリャービン、ショスタコーヴィチ、メシアンなど)を通じて、その実力と独自の個性とを印象づけてきた。ここに聴く1枚は選曲に趣向を凝らし、Bのつく作曲家たち5人による舞曲集あるいは少なくとも舞曲に関連のある作品を揃えている。5人中4人までは周知の大作曲家で、バッハの≪パルティータ≫第2番から始め、ベートーヴェン≪ヴラニツキーのロシア舞曲による変奏曲≫、ブラームス≪ワルツ集≫(作品39)、バルトーク≪舞踏組曲≫と揃える。ブラームスとバルトークのあいだにフェリックス・ブルーメンフェルド(1863~1931)の≪3つのマズルカ≫が入るが、これも言わば“箸休め”のような効果がある。バッハの≪パルティータ≫は、きっちりと弾かれているにもかかわらず、一種デモーニッシュな気迫を漂わせる演奏で、聴くうちに「只者ではない」と思わせる。ほかの作品にもそれぞれ一種独特な気概というか情念が込められ、聴きての心を呪縛するような魅力がある。このようなピアニストとは、ざらには出会えまいと思う。私の耳と心にはやはりバッハが最も魅力的に響くが、バルトークも秀演であり、ベートーヴェン、ブラームスにも二聴、三聴の価値がある。いちど実演にも触れてみたいと、切に思わせるピアニストだ。」濱田滋郎 (レコード芸術 2014年5月号)

 

「橋本京子はカナダのマギル大学で後進の指導を行うなど、欧米を中心に活躍する実力派。これまでにライヴノーツからスクリャービンやショスタコーヴィチの前奏曲など4枚のディスクをリリースしている。そのうちの2枚を聴いたが、堅牢な技術と高い知性を具えた個性派ピアニストである。『Bのダンス』とフランス語のタイトルを持つこのアルバムは、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ブルーメンフェルド、バルトークの舞曲的な作品を収録。バッハはグールド風の歯切れの良いタッチでペダルを使わない。テクスチュアに透明度があり、しっかりとした骨格の上で微妙かつ柔軟にアゴーギグを効かせる。それは時にデフォルメぎりぎり。その点で多分に感覚的である。それにベートーヴェンの「ヴラニツキーのバレエ≪森の乙女≫のロシア舞曲の主題による12の変奏曲」とブラームスの≪ワルツ集≫独奏版が続くが、総じて強い子音と重厚なサウンド、そしてリズムで奏でられる。ベートーヴェンやブラームスがダンスを踊ったら、きっとこんなふうかもしれないと思えるような演奏なのだ。面白いけれど個人的にはあまり美しいとは思えない。でもどうやらこれは意図的なようで、その証拠に後者の第15番は滑らかなフレージングと柔らかな情感で弾かれとても洒落ている。ブルーメンフェルドの≪マズルカ≫は感覚的で多分に耽美的。バルトークの≪舞踏組曲≫は作品と解釈が無理なく自然に溶け合っている。野趣とウィットが共存した快演だ。」 那須田務 (レコード芸術 2014年5月号)

© 2019 Pianist Kyoko Hashimoto